2018年05月14日

「おもかげ」を読んで

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浅田次郎さんの近刊「おもかげ」を読んだ。
浅田さんの作品は、爺の目頭をついついウルウルとさせる。この「おもかげ」も御多分に漏れず読み始めから早くもである。
ちなみに浅田さんの作品には、臨死体験を取り扱ったものや、霊魂というか幽霊というかを取り扱ったものが何編もある。
そしてこの「おもかげ」を読み進めるうち、既視感を覚え、
「何やら地下鉄(メトロ)に乗っての続編みたいやなぁ!」
「年齢を変えて出てくるあたりは、鉄道員(ぽっぽや)と一緒やなぁ。」

何ぞと考えた。
この作品の場合、母親の霊魂(?)が年代を変えて瀕死の主人公に会いに来る。そして極めつけは、子供の時に亡くした長男が
お父さんの100歳の時にまた会いたい!
と、父を黄泉の国からこの世へと追い返してしまう。ここで作品が終わっているので、本当に、戻って来るのかはたまた旅立ってしまうのかは定かではないけれど、蘇生して65歳から100歳までを生き抜くだろうと、十分に期待させるエンディングである。
話が前後するけれど、読み始めて目頭を熱くしたのだが、てっきり最初に出てくる「社長」が主役だと信じていたら、この「社長」ベッドに横たわる瀕死の主役を見まいに来るだけのちょい役で、すっかり騙されてしまった感は否めない。ただその主役、横たわってはいるものの、見舞い人や看護師の語り掛けを全部聞いている、聞こえているという設定だから興味深い。そしてそんな周囲の言葉や、黄泉の国から少しの間だけ彼に会いに来る女性達、誰なんだろうと思案しながら読み進めた次第である。

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posted by zen at 12:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷人独白