2019年04月09日

上向き放電で開始する落雷 5

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落雷には、正負のあることは知られている。正極性落雷と負極性落雷である。自然とは不思議なもので、途中で極性が反転する両極性落雷というのもあるが、これなんぞはどちらかというと稀有な落雷と考えてよい。さらに言うなら正極性落雷だって、負極性落雷に比べれば極めて稀な現象なのである。これは雷雲の電荷構造に起因しており、ここではあまり詳細に取り上げないことにしたい。ただ自然落雷に正極性落雷のあることが明らかとなって、まだ50年しか経っていない。
正極性落雷であれ、負極性落雷であれ雷雲内の電荷が中和されたとき、落雷という現象が完結する。英文ではCharges are lowered to the ground と表現されることが多く、「電荷が大地に引きお下ろされる。」ということになるのだろうが、私は個人的にはこの表現をあまり好まず、中和されるということにしている。というのも、正極性落雷と負極性落雷では、根本的に中和の在り方が異なると理解しているからである。
まず負極性落雷の場合、中和されるべきは、雷雲内の負電荷である。中和にあたっての電流の向きは、大地から雷雲負電荷領域に向かってながら、負電荷の担い手である電子という観点からは、雷雲から大地への移動ということになる。だからこの場合 Negative Charges are lowered to the ground という表現は納得できる。
次に正極性落雷を考えるなら、中和されるべきはこれまた雷雲内の正電荷であり、中和にあたっての電流の向きは、雷雲正電荷領域から大地へ向かうことになる。といっても正電荷が大地に向かうのでは決してなく、負電荷の担い手である電子が雷雲に移動して、見かけ上正電荷が粗方中和されたとき雷撃電流が終わることになるので、この場合は Negative Charges are lifted up to the thundercloud というのが正確な表現であると、私は考えているのである。
ここで今一度「上向き放電で開始する落雷」に話題を戻す。
ここでいう開始とは、リーダー進展の開始を意味しているのだが、当然正負二つの極性について考えねばならない。今までリーダー進展の極性依存を論述してこなかったけれど、室内実験や野外観測を通じて、両者の際立った違いが明らかにされてきている。そしてこれらにより、高構造物から上向きに開始するリーダーの極性依存に関して、いくらかの知見も得られている。
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posted by zen at 00:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷の研究