2020年06月06日

雷の進む速さ

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昨日、拉致被害横田ひとみさんの父上、滋さんが亡くなった。享年87歳 合掌。
今日は、少し専門的な話で恐縮。
昨日の内容に関してである。
あの頃NMさんの設計した光学観測器で、雷放電の過程で「帰還雷撃」に伴う発光を観測していた。帰還雷撃は、大地から雷雲に向かって進む電流で、当然発光も同様に進行すると考えての観測であった。端的にいうなら、パルス波が、大地から雷雲に向かって移動するのである。
私が大学院学生であった時代、光ファイバーによる通信が主題の研究室に在籍していたので、
「放電路が円形かどうかはさておき、ファイバーを伝搬する光パルスと同じように考え得る!」
と確信しした。だからいろいろな高さからの発光信号を調べてみれば到達する時間差で、確かに速度は測れるだろうけれど、
「その速度って、信号の先端の進む速度なんだろうか?」
と思案し、さらに
「光ファイバーと同様に考えれば、信号の進む速度は周波数に依存する。いわゆる分散があるのではないか?」
と、考えたのである。
「だから信号の先端で速度を計測すれば、速度は観測系の感度に依存するはずで、帰還雷撃という現象の速度を求めたいなら、グループ速度を求めねばならないだろう。」
と、推論したのである。
放電路をファイバー形状とみなしたとしても、はたまた放電路をプラズマ状態とみなしても、いずれにしても周波数分散の有るのが当たり前というのが、私の発表の大前提であった。そしてこれが、理屈っぽいフランス人大気電気学者には大うけし、一方Uman教授のような大御所には、ぴんと来なかったようなのであった。その結論として私は、
「大先生といえども、少し観点が違えば大いに頼りないものなんだ。だからこれなら私も対等に議論できそうだ。」
と自信を持てるようになったのである。以来私は
「国際会議は、確かに成果を世に示す場には違いないが、それにもまして自分の理解を同業者に示して、議論してもらう場。」
と考えるようになったのである。
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posted by zen at 10:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷人独白