2020年06月18日

思い出話 82

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よりにもよって、大学院入学試験前のある意味重要な時に、その人からの手紙があり、出会いの約束までしてしまうなんぞというのは、
「なんというめぐりあわせ。」
と、悔やんでみたところで致し方なく、かなり非効率的な3週間を過ごして、8月17日を迎えた。
GM君の研究室に行こうという誘いを
「午前中野暮用ができたんや。昼過ぎに研究室に行くわ!」
と、やり過ごし私は9時半ころまで下宿のベッドで、横になっていた。それにしてもあの日の一時間半は、時計の進みがとてつもなく遅く感じられた。それでも私は、約束の場所には5分前に到着して、その人が現れるのを待った。ほどなくして背後から
「待たせなかったよねぇ!」
と、声をかけられた。てっきり古江台の方から歩いてくると、その方向を見ていたので
意表を突かれる形となった。慌てて振り返ると、懐かしいその人が二三歳の子供の手を引いて立っていた。
「暑いし、子供連れだから近くだけど、バスに乗ったの。」
と、言ってから
「信一郎挨拶しなさい。ママの古いお友達。大阪大学に行ってる秀才さん。」
と続けた。そして
「秀才で無かったわ、天才だったっけ善一郎君は。」
と、私がかつてその人に言った言葉を思い出すように訂正した。
「立ち話もなんだから、お茶でも飲もうよ。御馳走するから・・。」
と、時計台の下の喫茶店にさっさと入っていたので、私は従うしかなかった。その間私は一言も話すことはなかった。
朝の10時過ぎだけに、店にはあまり客もいなっかったので、私はほっとしていた。
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posted by zen at 11:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷人独白