2020年06月27日

思い出話 91

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11月のその日以来、二週間おき程度に札幌に電話をかける習慣が、身に付いてしまった。
電話したからといって、取り立てて深刻な話をするという分けではなく、二週間の出来事などを4〜5分伝えあうだけのものであったが、私にはそれだけで十分であった。不思議なことに、他人の奥さんに定期的に電話をしているという罪悪感は、全く起こら無かった。高校三年生以来のプラトニックな恋愛なのだから、罪悪感の無いのも当然といえば当然かも知れなかった。それに受話器の向こうでは、その人は昔の儘のその人であり、屈託がなかったことも、二週間おきの電話の一因であったのかもしれない。いずれにしても、以来長く続くことになろうとはその時は、少なくとも私は思わなかった。
プラトニックな恋愛の話は、さておき卒業研究に話題を戻す。
同級生達が大型計算機センターに日参しているのに、私は研究室でほとんど過ごした。数値計算とは無縁だと信じていた。なんといっても「相対論的な速度で移動する飛翔体からの電磁放射」の解析解を求めているのだから、数値計算とは無縁だと信じていた。いっぱしの理論解析が、私の卒業研究だと理解していたのである。年が明け一月の末頃だったろうか、指導してくれていたTKさんが
「善さんよう頑張ったなぁ。一応期待していた解析は、ほぼ終わったで。」
と仰ったので、それならいよいよ卒業論文を書くのかと期待していたら、
「明日から、求めた解析結果の数値計算や。計算センターに行ってもらう。」
というではないか、
「FORTRANは取り敢えず知ってますが、今からプログラムして数値計算なんてできませんよ。」
という私に、
「皆がやってるような、数値解析とちゃうねん。君の導出した解析解の、具体的な数値を計算するねん。」
と説得され、助手のMNさんからは、森口繁一のFORTRANの本を手渡され
「河崎君、一週間でできるよ!」
と励まされ、私は本音で
「話がちゃうやん!」
と考えたりもしたが、実際やってみると一週間足らずで数値計算ができてしまった。
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posted by zen at 00:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷人独白