2020年09月22日

初代フィールドコマンダー

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秋分の日
そもそも科学研究補助金で、大学生を海外出張させるという制度そのものはなかった。ただ私の研究は、野外での雷観測を実施して「雷放電の秘密を明らかにする。」といったところにあり、野外での観測無しでは研究が成り立たなかった。さらに一か月から二か月に及ぶ野外観測を教員だけで遂行できる筈もない。加えて言うなら、毎日寝起きを共にしながら、あれこれ教育ができるし、日々の議論も活発にできる。私が研究室に所属する学生諸君に臨むことは、その研究を、まず面白いと受け止めてくれることであったこともあって、学生にも海外での野外観測に参加できる機会を与えたかったのである。
だから次の年は万難を排してというと大仰ながら、早いうちから事務方と打ち合わせを密にしたことが功を奏して、NK君のみならず科学研究費申請にあたって分担者に名を連ねて貰っている岐阜大のYSさんの参加も実現できた。このYS さんは、大阪大学の博士課程に進学してくることになるのだが、彼女の話は別の機会にしたい。
さて修士1年になったNK君、一年遅れでダーウィンの観測に参加でき、記憶に間違いがなければ、一か月半に及ぶ全期間を「フィールドコマンダー」として活躍してくれた。NK君は無類の車好きで、ダーウィンのホテルと干渉計アンテナを設置する郊外のロバートソンを通うのに、ある意味うってつけの人材であったのである。
ダーウィンでの観測は、足掛け16年にも及ぶことになるのだがこの1996年のNK君以後、出発に当たっては学生の責任者を「フィールドコマンダー」として選ぶようになったのも、NK君のコマンダーぶりが秀でてたからに相違ないと、私は考えている。NK君のコマンダーとしての徹底ぶりを強く印象付ける一つに、一か月半に及ぶキャンペーン中の収支は、一セントの誤差もなかった点であろうか。豪快な車の運転とは真逆ともいえる、超緻密というべきだろうか性格には驚かされた次第である。
ちなみにNK君以後、一セントの誤差もなくといったフィールドコマンダーを私は知らない。
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posted by zen at 01:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷人独白