2022年07月17日

SATREPS 6

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当初は生活の準備に二三週間のつもりでシンガポールにやって来たのだが、あれこれビューイングして職場の近くのマンションが気に入ったので、五日目には契約することにした。とはいえ、思いのほかの展開で、給与の中から家賃を払うことになると知って、大いに困った。まず契約金が馬鹿にはならない。社長にそのことを告げると極気楽に
「じゃぁ、貸しておくよ。」
と小切手を切ってくれた。私にしてみれば、何やらだまし討ちにあったような気がしたので、経理の女性には
「これは私の借金ではなくhostage(人質)みたいなものだ。」
と伝えたけれど、真意がよく伝わっていなかったようであった。
ホテルも結局自腹らしいので、早速契約したマンションに居を移し、シンガポールでの生活を始めた。有難いことにというべきだろうか、マンション自体は俗にいうfurnished(家具付き)で、独り暮らしの不便ささえ我慢すれば、一応快適であった。
マンションに移って数日したころ、日本の本社から数名の社員がシンガポールにやって来た。その中に大阪大学にやって来て、ベンチャーを立ち上げましょうと提案した部長さんもいたので、性急かなとも考えつつ、
「シンガポールでの研究について、話し合いたい。」
とつげると、
「私はその任から離れた。同行しているWさんが今後対応する。」
ということであった。そして
「先生のお弟子さんの岐阜大の王先生が、雷の観測のためにシンガポールにいらっしゃいます。」
と付け加えた。そして翌日、私達は日本の本社が進めているという、野外実験の場に出向くことになった。これまた私にとっては、
「なんや観測をもうやってるんかい!」
と驚きであったが、続きは明日に。
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posted by zen at 12:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷の研究