2022年07月29日

SATREPS 18

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シンガポールに戻った翌日、私は日本のマイケル君やVHF受信機の製造業者に連絡を取り、作業を加速するよう依頼した。11月1日運転開始は、現実には厳しいだろうが、その頃にはは設置作業が開始できるだろうとの目途はたちそうであった。マイケル君は、取り敢えず日本国内でVHF システムを稼働し、冬場には北陸で岐阜大の連中と一緒に観測をと計画していると伝えてきた。
ところが、10月の声を聞いて10日ほども経った頃からだったろうか、若い担当者を見かけることが少なくなった。私にしてみれば、工事に取り掛かるタイミングが少しでも遅れる方が有難いというのが本音で、たまに担当者を見かけたときには
「11月運転開始は難しい!」
とつたえ、
「近日中に指示を出すから、それまで待って・・・。」
といった会話を数度繰り返していた。
ところが11月になってもなんの支持もなく、さすがの楽天家の私も不安がつのり、現地で採用されたという日本人スタッフに尋ねた。
「あのプロジェクト、どうなったんですか?」
という私に、
「あぁ、あれは原油価格の急落で、流れたよ。」
という答え。
「なんも聞いてないですよ!」
と私が返すと、
「誰も言わなかったの?」
と、気の毒そうな顔をして
「あの若手の担当者も、会社を辞めるらしいよ。」
というではないか。
まさに青天の霹靂とはこのことかと大いにショックで、途方に暮れた。

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posted by zen at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷の研究