御巣鷹山忌
朝8時過ぎ、急に陽が射してきて思わず
「今日は、儲けたなぁ!」
と言ってから、おばぁさんの事を思い出した。
おばぁさんと言っても祖母ではなく祖母の妹、私を小学5年生から育ててくれた人である。子供の頃私はこのおばぁさんが苦手で、大きな目で睨まれると縮みあがったものである。それが10年近く育ててもらうことになったのだから、人生いやはやといったところであろうか。おまけにこの間二度の大病、いずれも二か月に及ぶ入院で、網膜剥離の時など医師に
「私の眼を上げてもあげてもいいで、見えるようにしてやってください!」
とせがむ始末
「おばぁさん、安心して大丈夫だから。」
と慰められていたのを思い出す。
さて文頭のことばである。
田舎の事ゆえご主人は勤め人で、週末には農業に精を出すのが常。
おばぁさん自身は、日中時間があると畑仕事といった具合で、雨の日には畑仕事はできないから、晴れると
「今日は、儲けたなぁ!」
とよく言っていた。私もそんなおばぁさんの口癖が、うつっていたということになるのだろうか。ちなみにおばぁさんが亡くなって、もう32年になる。

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