SATREPS に話を戻す。
結局目論見はすべてはずれ、マイケル君への支払いも滞るしまつ。
最後の一か月分は未払いで、彼は怒って帰国してしまった。
この件に関しては、まことに申し訳なく思っているが、ともかくどうしようもなかったのであった。当然のごとく、私のクレジットカードもみな失効してしまった。
さらには、故郷の自宅の電気、ガス、水道も全て止まってしまったのだから、赤貧という他はない状況である。
ただ捨てる神あれば拾う神もあるの諺通りというべきだろう、インドネシアの研究者から
「パレンバンで国際学会を計画しているのだが、講演する気はないか?」
との知らせが入った。大阪大学の私の研究室で博士の学位を取得したレディーさんが、かつてこの国際会議でVHF装置の研究発表をしており、何名かがより詳しく知りたいというのであった。その頃はもうそのレディーさんは中東に移動していて、聞きたくても話せる研究者が居らず、たまたま私のシンガポール滞在を知った、その会議のリーダーが白羽の矢を立ててくれたというのが、本当の所であった。

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