2022年10月09日

東南アジアに雷観測装置を 12

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折に触れ、シンガポールでの失敗の話は披露してきている。
私自身が、自然科学を生業とするものとして優秀だったか否かはともかく、シンガポールでは学者馬鹿の積み重ねだったと、自戒している。自戒しながらも積み重ねているのだから、始末が悪い。そのうちの一つを披露したい。
シンガポールに来て丸二年たった九月のことである。人事係から呼び出され
「二年たったので、契約を更改したい。親会社の当初の契約では、二年間の赴任という事だったが、河崎はこの国にまだいるつもりだろう?」
というのである。
「お互いに過去に戻って議論しないという事だったから、私は何も言わなかったし、装置を販売して、製品化のための堅牢化を目指しているのだから、当然変える気はない。」
と答えると、新たな契約書にサインしろという。それに給料分はローンという事にするので、その書類にもサインをというではないか。
「それでは話がまるで違う!」
と、反論すると
「日本の親会社に説明するための、形式的なサインだ。我々はいきさつを知っているし、便宜を図るから。あくまでも形式的な書類だ。」
という。それなら信用してもいいかとサインをしたのだが、その時の責任者は二年のうちに会社を辞め、サインをした書類が証拠書類として残ることになったのである。
それでも私の心のどこかに
「シンガポール人は、最初からだますつもりはなかったのだろう。結果として親会社の、言うがままにしかなれなかったのだろう。」
と、かすかに期待している自分自身を感じている。
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posted by zen at 11:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷人独白