我が家の周囲には、ほぼ等距離に三か所のバス停がある。
このうち街の中心から帰るのに利用するのは、トムソン道路沿いにあるトムソンクリニックセンターのバス停である。シンガポールのバス路線の、豊富で便利なことは何度か紹介している通りなのだが、同じバス停から乗っても路線番号を間違うと、とんでもない方向に向かうことになる。だから乗る前には、やって来たバスの番号を確認して、乗り間違え無いように気を使っている。ただそれでも、バスの路線番号を見る暇のない時も少なくなく、そんな時には
「このバスは、トムソンクリニックセンターを通るのですか?」
と運転手に確認するようにしている。
ところがである。
私はそのバス停を経由しての路線か。と確認したいだけなのに、バスの運転手さんは私が外国人であることから、クリニックセンターに行きたいのだと誤解して、バス停につくとわざわざ席を立って、
「あの建屋が、クリニックセンターだよ!」
と教えてくれるのである。私としては、さっさと交差点を渡って家に向かいたいのだが、そのためには降りたバスの前を通らねばならず、そうすると教えてくれた運転手さんに悪い気がして、みすみす信号を一つやり過ごしてしまうことになる。そのバスの前を横切ったところで、親切に病院を教えてくれた運転手さんが、怒る筈もないだろうが、親切を無駄にしてはならないと、私としては大いにばばかられるのである。まぁ私が、意外と小心者であるという事だけなのだが・・・。

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