この時期大学は、卒論、修論で忙しい。・・・筈!
さすがに博士論文は、年末頃までにあらかた片付いてはいるだろうが。
大学を離れて、正確には定年退職して、あと二か月足らずで丸十年になろうかというのに、折に触れて思い出す。毎日が日曜日のこの身でも、二月初めの忙しなさが妙に懐かしい。
幸か不幸か、定年の前頃には博士課程の学生諸君が、卒論の下書きを積極的に朱書きしてくれるようになっていたので、ずいぶんと楽をさせてもらったものだが、それでも土日の週末は研究室に出かけて行った。
未だ助教授の頃だったと思うが、学生諸君には提出の締め切りを、わざと十日近くはやめて告げたりもしたが、この種の脅しはほとんど効いたとは思えなかった。
「あれって、何故なんだろう?」
正月三が日が明けての一月初旬、その頃から真面目に取り組めば、締め切りになってバタバタしなくて済むのにと、この年になって考える。私の場合、卒論に使う数値計算は、締め切り一週間ほど前になって
「じゃぁ、河崎君この式の計算、数値で出そう!」
と、直接指導してくれていた博士課程のTKさんに言われ
「でも僕フォートランでプログラム組んだことないですよ。」
と返したら、同じ居室のMN助手から
「T先生だって、自分でプログラミンぐするんだから!」
と、数日でプログラムができるというあんちょこみたいな参考書を手渡された。
ちょっぴり懐かしい思い出である。

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