2023年05月01日

雷放電の研究

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LISはTRMM衛星に搭載され10年余り観測を行い、数多くの気候学的成果を上げ、その使命を全うしたと理解しております。その成果の一つが、
「静止衛星軌道に搭載して常時観測を実施し、気象学的に利用することの有用性の実証」
と私は理解しております。その結果NASA やNOAAは静止衛星に電光観測の装置の搭載を実現、Severe Storm の予報、予測(Nowcast)に利用しています。しかし我が国の気象コミュニテーではそこまで機運の盛り上がることはなく、地上観測(レーダー観測)に軸足を置く道を選択したというのが、私の理解です。
各コミュニティがそれぞれの結論に至った一つには、アメリカの場合、気象システム(気団)が陸上を東進、地形の影響を受けながらも、急激に大きく変わることがないのに対し、我が国の場合、気団の東進(移流)は日本海の影響を直接受けるため、電光の衛星観測を頼りにNowcastすることの難しさにあるからだと考えております。
一方私達(阪大・電気系・環境電子工学講座)は、受動的な雷活動観測(干渉計等)と能動的な積乱雲観測(レーダー)に関わってまいりましたので、こういった気象研連の方針をむしろ好機と考え、まずは日本国内での観測を充実させ、続いて東南アジアでの展開を実現しようと考えて、今日に至っております。ただレーダー観測は技術的な難しさはもちろん、費用もかさみますので、狙いとする東南アジア諸国には、受動的な雷活動観測がより有効と考えているというのが実際のところです。
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posted by zen at 09:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷の研究