広帯域干渉計について説明する。
同じ特性を持つ三基の受信機に入力する信号を、三基のアンテナを適当な間隔で配置して受信する。簡単なのは直角二等辺三角形の三頂点にアンテナを設置することだが、必ずしも直角三角形である必要はない。アンテナが三基以上あれば、二基ずつを組み合すことにより、幾何学的には互いに独立な二ベクトルが一組(二つ)定義でき、原理的にはアンテナの設置された地点に入射する放射源の、方位・仰角が推定できる。アンテナの間隔はある程度長い方が精度は上がるものの(波長÷間隔で決まる)、長すぎると波形の相関が悪くなるのでむやみに長くとることはできない。
通常の干渉法は、アンテナからのアナログ信号を受信回路で重ね合わせ位相差を求める(FM受信の原理)のだが、我々の干渉計はこれを以下のようにディジタル的に実現している。
1.受信パルスをFFTで周波数成分に分解
2.FFT周波数成分毎の位相差を計算
3.アンテナ系に対する入射角を決定
4.二組のアンテナ系の入射角から、アンテナ位置への、方位仰角を推定
とはいえ求められる入射角は、必ずしもすべての周波数で一定というわけではないので、平均や分散を求めたりして最適な解を導出するよう配慮している。我々はこれをディジタル干渉法と定義し、受信系や解析プログラムを改良し、今日に至っている。

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