「知れば知るほど泣ける田中角栄」という文庫を読んだ。
宝島の出している文庫本だけに、活字も大きく年寄りには読みやすく、二時間余りで読破した。
実は天邪鬼爺ながら、私は田中角栄という政治家のファンである。
田中さんはすでに鬼籍に入られているので、正確にはファンであったというべきだろうが・・・。
だから文芸春秋に掲載されたスキャンダル記事の著者、立花隆氏の著述は好きになれない。
同じく立花氏も鬼籍に入らているので、好きではなかったという事になろう。
確かに田中角栄氏には、「金権政治」と揶揄されてしか得るべき姿勢があったとはいえ、陳腐な言い様ながら日本という国を良い国にするという、理念をひしひしと感じさせる政治家でもあった。このあたりが、長く首相を務められ凶刃に倒れられた、元首相のにおいとは全く違うところで、元首相にのとられた姿勢には「私」というものが見え隠れしてならないのである。

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