2024年09月26日

彗星物語

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宮本輝さんは好きな作家の一人であることを、何度もこのブログで述べてある。
そして先日、日本人会の図書館で「彗星物語」の文庫本を借りてきて、それこそ一気に読んだ。五時間か六時間ぶっ続けて、読破してしまった。これだけ集中しての読書は久しぶりであるが、やはり宮本さんの作品は面白いので、波長が合うという事に尽きる。
シンガポールに住んで11年、新刊書の出版に気付くことも少ないのも事実だが、この彗星物語は1990年代初めに上梓されているので、30年も前の作品という事になる。今まで読む機会のなかったのはなぜだろう?例えば大作「流転の海」は新刊として出るたびに、早い機会に手に入れるよう努力してきたのに、「彗星物語」は、何かの拍子にエアポケットに入り込んで、気付かずにいたという事になろう。ファンと名乗るには、若干恥ずかしい気もする
天邪鬼爺の私が宮本輝さんの作品を好きだと感じるのは、内容やその展開もさることながら文自体がきちんとしていて、「日本の文学!」をしみじみ実感させるから。宮本さんが作家を目指すようになったのは、まだ作家となる前ふと呼んだどなたかの作品の文があまりにもひどかったので、
「これなら私も作家となれるかも?!」
と考えたからと、どこかに書いておられた。実際どの作品を読んでも、文がきちんとされていて、素人ながらに感心させられるのである。
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posted by zen at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷人独白