⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!中学生になってすぐのころやったから4月か5月やと思うけど、ひろっちゃんから
「野球の試合あるんやけど一人足りひんね。善さん来てくれへんか?」と誘われて自転車でついて行ったんが、わいは生まれて初めての野球やったんや。
「野球やったことないし、ソフトボールでも下手やのに・・・。」ちゅうて尻込みしたんやけど
「人数足れへんかったら試合出来へんし、ええからついてこいや!」ちゅう調子で、それこそ連れていかれたんやけど、ひろっちゃんは覚えてますか。
ほんで相手チームの中には、中学校の同じクラスのアオタニくんやサカモトくんがいて、わいの運動音痴知ってるよって
「善さん野球できるんか?」ちゅうてからかいやった。
ひろっちゃんは
「あいつらのいう事、気にせんでええよって。善さんは九番で守備はライトや。」ちゅうて慰めてくれて
「一時間もせんうちに、メンバー来るからそれまで頑張って。わいがピッチャーやからライトには打たせへんよって。」と続けやったんやで。ほんでほんまに守備機会は、ゼロやった筈です。
でも打つ方は、三回表やったか裏やったか覚えてへんけど、廻ってきて
「善さんバットふるな、立ってるだけでええよって。」ちゅう命令や。それ見てた体の妙にでかい中学三年の先輩が、バッターに入るわいのところにやって来て耳うちしやったんや。
「君、河崎先生の息子さんやな。打ち方教えたる。バッター振り回さんでええから、ピッチャーが投げたら、ボールにバットあてに行ったらええんや。」ほんでその通りやったら、バットに当たったボールが、ソフトボールと違うて面白いほど飛んで、グランドの端まで転がっていきやった。
ひろっちゃんは
「ヒットや善さん走れ!」ちゅうんで、必死で走って初打席やのに三塁打になった。次の一番のバッターのヒットで無事ホームインしたら、ひろっちゃんが
「もうひとり来たから、善さんは交代や。最後まで試合見てたらええで!」とちょっと薄情な選手交代。わいは三塁打打ったし、もう一回打ちたい思うて、ちょっと残念やったんやで。

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