2024年11月01日

卒業研究

⇒⇒⇒⇒ 投票を願います!
霜月朔日

あの頃、1970年台はじめは、学園闘争の名残がまだあちこちに残っていて、大学院生の学部学生への影響力が強かった。それに高度成長期という社会背景もあって、大学院修士課程の定員が急激に増えつつあった。例えば私が進学した年には学部の定員40名に対して修士課程の定員は16名、数年後にはほぼ倍の30名近くになっていたのではなかったろうか。ただし定員の増加は、ここでは主題ではない。
卒業論文の具体的な指導についてである。
私の場合、博士課程1年のTさんが直接の指導者であった。そしてこの関係は、私が修士課程に進学し、さらには博士課程に進学する頃まで続いた。ただTさんはあまり細かな注意や毎日の進捗を確認するようなこともなく、図書室に四年生の私を連れて行って
「新着雑誌には月に二度は必ず目を通して、関連する論文を探すように。」
と教えてくれたぐらいであった。そして
「大学院を受験するのなら、卒業研究はその後やから、それまでは受験勉強に加えて、何か適当な教科書を毎日時間を決めて読むんやな!」
と極めておおらかな、先輩であった。「おおらかな」と私が印象を持ったのは、同級生達は、ほぼ毎日のように指導を受けている教員や先輩と、膝突き合わせての議論をしていたのを見ていたからである。
lanking.gif
クリックして投票を!


posted by zen at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷人独白