2017年11月15日

起業の顛末1

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68歳から69歳になろうかという今頃になって、半世紀前の亡母の言葉をしみじみ思い出す。
「善一郎、あんたについてくるのは、自分の影だけやでぇ!」
「ああちゃんもか?」
「そらそうや、ああちゃんと善一郎は違う人間やもんなぁ。」
そうそう石川五右衛門の釜茹での話も、一緒に聞かされた。
小学校高学年だった私には、それでも母の言いたいことは何となく判ろうと努力していた気がする。母との永久の別れが近づいることを、微妙に肌で感じていたからかも知れない、とは随分と後になっての印象ながら。
とりわけここ二週間、
「この歳になって、母の教えの正しかったことを再認識するとは、わいはつくづく甘いんやなぁ!」
と、反省するばかりである。
私がシンガポールの地に来て起業していることは、何度かこのブログでも述べてきた。
起業といっても、大学時代に研究用に使ってきた装置の、設計・製造・販売・稼働を目的とする会社で、それらをアジア発の装置として東南アジア諸国に安価で役立てたいとの、大それた望みをもっての起業なのである。といっても私一人では営業などできる筈もなく、シンガポールにやってきての二年間は、現地の名の知れた企業の営業を期待した。その企業も前向きに取り組んではくれたものの、結果としては成果が上がらず、続く二年は当地に来て知り合ったマレーシア人の営業手腕をあてにした。そして昨年9月からの営業活動が功を奏して、ようやくこの秋に隣国から、装置二基の注文を頂く手筈となり、一安堵していた。ところが好事魔多しともいうべきだろうか、知り合いから
「河崎さん、今のまま進めたら今後装置はあなたの会社の商品ではなく、マレーシアの会社の製品として登録されてしまい、御社は販売権を失くしてしまいますよ。」
と、空恐ろしい情報を聞かされた。確かに糊口はしのげるだろうが、それでは定年後この地にやってきて苦労している意味がなくなる。
それにしても「華僑」のしたたかさと舌を巻きながら
「販売権登録をなぜ君の会社にする必要があるのだ。私をだましたのか?」
と、問い質しても明快に答える風もなく、私は即座に独占販売権を破棄すると宣告した。
(この稿続く)

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posted by zen at 12:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷人独白
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