2017年11月25日

雷放電 2

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地球温暖化で雷発生が増えるという話はよくある。
多くの研究者たちは、それを衛星観測やモデル計算で確認している。TRMM/LIS (もう20年近くも昔に実現した衛星からの、雷放電活動観測)で、北緯35度から南緯35度の雷活動の光学観測に基づく全休分布が、明らかにされた。そして結論から言うと、温暖化が進めば熱帯地方を中心に雷活動は増える、それも東南アジアの影響が大きいといったことが明らかにされた。その理由は、この地域の気象が大洋性と海洋性の二面性を持っているからである。詳細な検討は学術誌に譲るとして、
「温暖化が進めば雷活動が増える。」
これは日常生活の経験からも推論可能で、多分反対する人はまずいないだろう。
「それならはたして雷活動が地球温暖化に影響するのだろうか?」
という疑問もわいてくる。私以外にこう言ったことを考える研究者達も少なくはない。
即ちこういった命題は、観測(航空機観測)やモデル計算で議論されることが多い。
結論から言うなら、雷放電で成層圏の温暖化ガス(窒素酸化物)が増える・成層圏に輸送される水分量が増えることになり、より地球温暖化が進む可能性が出て来る。そしてとりわけ南半球の成層圏への影響が大きいと考えられている。その根拠は、北半球には大陸が多いのに対し、南半球は海洋が半分以上といったところにあるらしいことが判ってきている。早い話、どうも地球温暖化は、雷放電活動が「正帰還」として働いているらしく、地球全体の気温がやがて「大いなる不安定」となる可能性を孕んでいるらしいのだ。
この結論は、あくまでも21世紀初頭までの観測に基づいての警鐘で、多分他にもあれこれ地球温暖化の要因があるだろうから、ここで述べているような単純な議論だけでは済まないだろう。とはいえ少なくとも雷放電活動は、正帰還として働くらしいことは「大いなる警鐘」に十分値すると考えるのは、私だけであろうか?
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posted by zen at 08:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷の研究
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