昨日の話題を続ける。
北陸の冬季雷は、地元の住民には当たり前やったやろうけど、大気電気学の社会で脚光を浴びるようになったんは、名古屋大学の空電研究所が1970年代に実施した野外観測がきっかけちゃうかな。その少し前には、アメリカの衛星観測で、日本海にやけに明るい発光現象が見つかって、最初は冬のイカ釣り船の明かりとか思ったらしいけど、雷放電によるもんやちゅうんが判ってSuper Boltちゅう呼び名が付けられたんや。それからほどなくして「自然の正極性落雷」が、北陸の冬季に見たかって、最初は欧米の同業者も信じへんかったらしい。
「正極性の自然落雷がある筈がない!」
ちゅうんで、ドイツの国際会議で故竹内先生が発表したとき、みな笑ったちゅうんや。フロンティアちゅうのんは、いわれなき差別受けるもんかも知れへんなぁ。
そいでも次の年から二年間、ニューメキシコの故Brookさんがきて共同観測しやったら、やっぱり正極性落雷が記録されて、
「北陸の冬季における正極性落雷」
が、世界中の大気電気学者に認知されるようになったんや。
ほんでや、ちょうどその頃わいは空電研究所に入所して行ったんやが、それがわいの人生を決めるようになったんやから、不思議なもんやで。早い話、わいと雷放電の出会いちゅう事になるんや。確かに入所してからの二三年ちゅうのは目標もあんまりはっきりせんかったけど、気象的によう似てるちゅうノルウェーの冬季雷の観測にわいは借出されて以来、すっかり雷放電の研究に取りつかれてしもうたんや。

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