2018年08月14日

上向き放電で開始する落雷

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昨日の心配は杞憂ではなかったようだ。
確かに大災害とはならなかったまでも、東京では雷公様が大暴れ。
NHKのニュースでは、スカイツリーへの落雷も報じていた。そして
「スカイツリーへの落雷の際には、モニターのビデオカメラの画像も乱れました。」
と報じていて、30年以上も昔のことを思い出した。
それは福井県三方郡美浜町で冬季雷の観測をしていた時の事。
あの頃いくつかの送電鉄塔に同時に落雷することを気付き、ビデオカメラを複数台稼働し映像として確かめようとしていた。当然ビデオカメラ間の同期が不完全だと、落雷の同時性に疑問符が付くことになる。それゆえ同期パルスを、主カメラから他のカメラに分配するように細工していたところ、その同期パルスに落雷に伴うパルスが重畳して、画面の乱れが二、三フレームに及ぶ観測結果もあった。
当時CCDカメラが出だした頃で、その原因はCCDの読み出しパルスに、雷放電のパルスが重畳してだろうと理解した。CCDといえど飛び越し操作ゆえ、読み出しが不完全な場合、ともすれば時間の逆転現象、つまり先に起こった現象があたかも後で起こった現象のようになることが判り、本来の目的とはまるで異なる「飛び越し操作とEMP」なんぞといったおまけの成果まで手に入った。
ちなみに送電鉄塔への同時落雷は、一つの落雷が引き金となって、上向き放電で開始する落雷が起こるというのが科学的な解釈で、当時の普通のビデオカメラでは時間分解能が全く足りず、その後高速度撮影するビデオカメラの観測へと発展していくことになるのだが、詳しい話はまたの機会に。
lanking.gif
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posted by zen at 01:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷の研究
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