爺の同僚との話である。
実はこの同僚とは、耐雷・避雷・防雷の仕事を一緒にやっている。
その彼、
「善さん、今年の日本は暑かったから夏だけで7万発も落雷あったそうですよ!」
とえらく興奮気味である。
この7万回、数字で聴くと多いようにおもうけれど、多いとみるか少ないとみるかは、雷放電の物理を専門にしているか否かによる。だから
「ひと夏に7万回なんてとんでもなく少ないですよ!」
と、ついつい言ってしまった。
もしかしたら友人に教えたという御仁、
「一晩に7万発!」
と言いたかったのかもしれない。というのも国内にあるフランクリンジャパンという会社の統計によれば、
「7月8月の二ヶ月で日本では合計100万回を越す落雷がある。」
というほどだから。ただこの100万回というのはいささか多すぎるきらいがあり、爺にはその原因について考えはあるけれど、それはまた別の機会にして、元の話を進めたい。
「日本中で7万回」をどう考えるかである。
日本の陸地の面積は37万平方キロ。だから7万回が一様に分布すると仮定すれば、一平方キロ当たり0.19という事になる。ちなみにシンガポールの西部地域が、年間の落雷数が最も多いと考えられている地域で、1平方キロ当たり40回とされているのだから、0.19はやはり多いとは言えまい。だから7万という数字のトリックに、騙されないでほしかったというのが、この爺の主張なのである。
Kさん判って頂いたでしょうか?

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