「上向き放電で開始する落雷」こんな風に書くと、専門外の方は混乱を起こされるかもしれない。普通落雷は、下向き放電で開始するのだから無理はない。しかしである、1980年代から名古屋大学のグループを中心に実施され、大いなる成果を出した「ロケット誘雷」はまさにそれで、「雷雲に向かって進展してゆくリーダが、雷雲内の電荷領域に到達したならば、続いて下向きのリーダが下向きに伸びてきてやがて大地に到達、そして帰還雷撃という雷電流が雷雲に向かって流れ、結果として雷雲の電荷を大地に引き下ろしてしまう。」
のだから、落雷以外の何物でもない。つまりこれを上向き放電(リーダ)で開始する落雷というのである。その後高い高い構造物などからもやはり、上向き放電の開始することが分かったし、モバイル通信との関連で山の上に通信鉄塔が数多く建設されたり、風況の良い地域に風力発電機が建設されたりして、この「上向き放電で開始する落雷」が、深刻な被害を多く出すようになってきているのである。
この爺、大阪大学を定年退職したのが6年前で、その後研究とはおさらばし、のほほんと暮らしてきたけれど、ここにきてがぜん研究意欲が湧いてきており、現在関連のある論文を読み漁る毎日である。ロートルながら6年の充電期間を経て、意気軒高なのである。乞御期待!!

クリックして投票を!