2019年06月27日

雷放電とガンマ線

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インターネット版朝日新聞を読んでいたら
「雷の卵発見、ガンマー線放射を観測」
という見出しを見つけた。
「何を今頃いうてんね。こんなん2000年初頭の研究題材やんか!」
と、いささか不愉快になった。
それにしてもマスコミ報道もレベルが低くなったものだ。四半世紀も昔に話題となった研究を、まるで目新しい研究でのあるかのごとくに記事にし、読者の関心を煽るとは。いやそれとも記者さん日頃の不勉強で、本当に新発見と信じているのだろうか?それだとしたらますます深刻な話である。
そもそもながらこの研究は、恥ずかしながら「雷放電の開始」に関してのきちんとした理解のないことに起因している。古典的には、雷雲内の電界強度の強い箇所、例えばどがった霰の先端であるとか、の理解があり、
「いやそれでは、室内実験で確かめられている絶縁破壊強度にはとても足りない!」
との反論もあって、1990年代の中ごろから二次宇宙線説や、地中からの放射線等々のいわゆる「高エネルギー」起源説が唱えられ、観測的に検証をとの機運が盛り上がった。その結果が先に述べたガンマー線放射の観測で、あの頃の活況はすごかったのである。
ただ我々の知りたいのは、放電開始の機構で、「高エネルギ」起源なのか、高電界起源なのか、あるいは「ハイブリッド」起源なのかで、放電に伴ってガンマー線やX線の出ることは、私が雷研究に携わるよりはるか昔から知られていたのである。言い換えれば、いまだに雷放電の開始機構がきちんとして理解されておらず、まぁそれはそれで我々専門家の力不足なのだが、いつの間にやら何を確かめたかったのかが吹っ飛んでしまったための、新聞報道騒ぎというのが私の理解である。
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posted by zen at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷の研究
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