2020年07月04日

思い出話 96

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専門外の方には退屈かもしれないが、もうしばらく思い出話を続けたい。
弾性表面波の研究に関してである。
縦波(疎密波)である筈の弾性波に、横波の存在する理論的根拠である。
圧電性弾性表面波、磁気弾性表面波の「名前」から想像して頂けるかもしれない。つまり電磁波は、電気的な振動と磁気的な振動が、お互いにやり取りしながら伝搬するのだが、圧電性の弾性波は、電気的な振動と力学的な振動が互いにやり取りしながら伝搬するのである。早い話電磁波の磁気的な振動の代わりをするのが、力学的な振動なのである。当然伝搬の速度は、音波のそれであるから、波長に換算すると同じ周波数の場合、電磁波に比べ圧倒的に短くなり、素子の小型化が可能になるというのが長所と考えられていた。
ついでに磁気弾性波は、磁気的な振動と力学的振動のやり取りで、電磁波の電気的振動の役割を力学的振動が分担するのである。ただ磁気弾性波にはもう一つ難しさがあった。それは磁気的な性質には、「異方性」という厄介な性質があり、例えば波の進行方向が違えば、伝搬の速度が異なってしまうのである。つまり電磁理論でいうところの相反定理が成り立たず、そうなるとグリーン関数の導出や、積分表現の導出が、なかなか教科書通りにはいかなかったのである。この難題にぶつかったのが修士二年に進級した直後で、そのころには
「この研究主題で博士課程まで進級しよう!」
と考えていたので、またまた七転八倒の毎日であった。机に向かって同じ姿勢で、計算したり文献を読んだりするという生活が続き、その結果頚椎捻挫してしまった。手がしびれ偏頭痛があり、いささか怖くなって病院に行くと、診察に当たった医師から
「大学生か、麻雀のしすぎだろう。」
と呆れられ、説明するのも面倒なので、薬と電気治療だけ受けて帰宅した。
こんな毎日を過ごしながら、一ヵ月二度北海道のその人に電話をしてという、日々が続いた。その夏、札幌での学会が開催されることになっていたので、私は何としても磁気弾性波の研究発表を札幌でと考えていたのである。
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posted by zen at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷人独白
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