ここ数日明け方の雷雨が続いている。
昨朝というべきだろうか、午前三時半頃遠くからの雷鳴と突風があり、風きり音で仔犬のシロが目覚めて大騒ぎしていた。私自身、それでも眠気が冷めやらず、シロの吠えたてるのを子守唄代わりに、薄情なようながらそのまま寝入ってしまった。
深夜の雨は、朝の気温をさらに下げるので、ともかく清々しくて凌ぎやすく有り難い。パシリスに住んでいた頃は、パシリス駅まで歩いて通っていたのだが、今から考えるとこの時期だったのだろうか。ともかく日中ともなれば、毎日が夏だから季節感が伴わず、残念ながらどの季節だったなんぞという記憶が伴わない。このあたりが四季のある国に生まれ育った者の特権というべきだろうが、春の朝の気だるさ、夏の朝の清々しさ、秋の朝の慌ただしさ、そして冬の朝のぴんと張り詰めた緊張感らが、より一層季節の移ろいと併せて記憶を残してくれるのである。
翻ってこの地シンガポール、毎日が夏で、毎日のように雷雨があるからだろう、季節感が甚だ乏しい。わずかに11月から12月にかけては、雨天が多くそれなりにひんやりとしているので、この地の人に生まれ育った人たちにとっては、ちょっとした「冬」らしいのだが、この点に関しては、私も納得できる季節感であろう。
とまああれこれ思案を巡らしながら、
「夜明け前の雷雨今日はどうなるだろう??」
と考えながら床に就く次第である。

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