9月20日には私の長期滞在ビザも取れたので、日本に一時帰国し本格的な赴任の準備をしようと考えた。それに私の退職記念パーティーが、10月の初旬に大阪市内のホテルで開催して頂く計画になっていたので、どうしても一時帰国をしないわけにはいけなかった。ただ気懸りは本社からやって来たWさんとは、なかなか話をする機会が持てなかったことであった。会社に出勤してきても、社長と話し込んでいるので、その後にと考えていたら、知らないうちに出かけてしまっていることが多かった。
「まさか意識して話し合いを避けているちゃうやろし。忙しいんやろうからしゃぁないか!」
と気楽に考えていたら、例の大阪大学に来られた部長さんから
「河崎先生。私達は明日の夜便で帰国します。Wさんとはまだ話してないですよね。今回は我々側の引継ぎが主目的できますいたもので、ただWさんはこれからも月一回程度の割でシンガポールに来ますし、次の機会にゆっくり話せるように、伝えておきます。あそうそう先生の退職記念パーティーには、私とUさんは出させて頂きます。」
と告げられた。
そして私は彼らの後を追う形で、日本に戻った。

クリックして投票を!