2022年07月23日

SATREPS 12

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私自身を学者馬鹿としか呼べないとでもいうべきだろうが、それでも会社を起こしませんかと声をかけたのは、決して私からではない。それに大阪大学副学長の前で、
「弊社からなら、五億円でも、六億円でも!」
とまで大言壮語したのは、二人の担当者だった筈。
だからこそ、還暦を過ぎた身で決断して、二度目の人生をシンガポールでとやって来たのである。それを
「わが社の体制が、八月に代わりましたから。」
とは何たる不誠実。
私がやって来たのは9月だから、それなら体制が変わった時点で、そのことを正直に私に告げて、
「応援は難しくなる。」
と報告してもらっていたら、私にも考え直す余裕があったと、忸怩たる思いであった。
現地法人の社長は
「何か契約書か、合意文書でもあるのか?」
と尋ねてくれたけれど、そんなところまでは知恵が回っておらず、甘い言葉に誘われてイケイケでやって来たというのが本当の所なのであった。それに翌年度からは、アメリカ人のM 君をポスドクで雇うことが決まっていたこともあり、大いに前途多難を実感させた。
現地法人社長が
「河崎の夢は? シンガポールで金もう受けをして、いい車を買いたいのっか?」
と尋ねたとき
「私達の作った、雷観測装置を東南アジアのこの地域で稼働して、みんなの役に立つこと。」
と答えた。その夢の実現が、このままではできそうにないと、思案を巡らせたのであった。
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posted by zen at 12:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷の研究
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