シンガポールに来てまる9年が経過した。
10年一昔というから、古い言い回しなら一昔前にやって来たと言ってもいえようか。
あの頃来た当座、私が日本人だというと
「日本の製品は、質が良い。なかなか壊れない。」
との誉め言葉を、間違いなく頂いたものである。
例えばあの頃は、朝の通勤バスが渋滞で遅れるとなると、二度に一度はヒュンダイ車の呼称であった。そして乗客の何人が
「韓国車は故障ばかりだ。トヨタやホンダはまず故障しない。」
と、不満げにつぶやいていたものである。
日本製品の品質の高さを象徴する、シンガポールの日常であった。
そしてほぼ十年、最近は路上で故障する韓国車をまず見かけない。
それどころか、
「サムソンのディスプレイは、日本製より安いし質も良い。」
といった話題も少なくない。
昨日書いた失われた30年は、日本の技術力をも下落させてしまったようだ。
この原因、果たしてなんだろうとついつい考える。
(この稿続く)

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