昨日の内容に戻って考えている。
雷雲内の電荷の担い手である霰(原則負に帯電)や氷晶(原則正に帯電)は物理的に独立していると書いたけれど、現実には同極性の電荷なら引き合うし、異極性なら引き合うので、物理的には決して独立しているわけではない。それゆえ空間的観点からは、離れて存在しているという方が正確だろう。
さらに考えたいのは、上昇流や下降流という力学的力と、クーロン力の双方が、これらの霰や氷晶に働いており、力学的(物理的)には極めて複雑なんだろう。ただ力学的力とクーロン力を比較すれば、力学的力の方がクーロン力に比べ数段強い。だからクーロン力は、雷雲の中にあっては「摂動」なんだろうと、天邪鬼爺は考えている。雷雲となるための電気的二重層は、そう言った天の配剤(神の悪戯)ともいうべき、微妙な摂動の上で出来上がっているのだろう。そしてひとたび放電開始となれば、摂動であるクーロン力が無くなり、電気雪崩もレインガッシュも起こるのではないだろうか。
なお力学的力の方がはるかに大きいことは、以前話題に挙げたスパイダーライトニング、雷雲アンビルの正電荷が、反発もしあわずに存在しやがてスパイダーライトニングとなることからも理解できるのではないだろうか。
(この稿続く)

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