重陽の節句も過ぎて、長月も中旬。
手抜きのつもりではないが、去年の今日。
昨日、中秋の名月・月見の思い出を、親友のY君とLINEでチャットしあった。
「ちっちゃいとき、よそ家の庭に忍び込んで、だんごをついたりお菓子を取りに行ったなぁ。」
とY君
「そんな風習は、もうとっくの昔に無くなってるでぇ。わいが30歳の時には、もうわいらの田舎では無くなってたなぁ。」
と私。
残念ながら実際のところ40年以上も昔に、私の育った村でもすたれてしまっている。
「あんな経験、ええ思い出になるし、人間関係も磨けるで。それに肝試し、根性試しも。」
「せやな。ああいうええ風習は残したいもんやけど、なかなか理想と現実は離れてるしなぁ。」
月見の日に、お団子や果物を供えるといった風習があったし、だんごと一緒に供えるすすきを刈り取ってくるのも、子供の仕事だった。
そもそもお供えした月見団子を、子供達が盗むという行為は「盗む」という言葉にこだわるなら間違っているには違いない。ただこれを、大人と子供の遊びと考えるなら、どうだろう。子供達は出し抜いたつもり、大人は子供達が十分盗み食いしたころを見計らって
「こらー!」
と声をかけ、子供達が一斉に逃げ出すといった具合、筋書き通りの劇を演じていたのであったと、ある程度成長してから理解したのである。

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