数日前に、シンガポール・チャイナタウンに出かけた時の事。
お茶でもしようと、行きつけ(?)のカフェに向かっていたら、通路で若い女性が煙草を吸っていた。悪戯心もあって通り過ぎざまに、わざと日本語でしかし小声でつぶやくように
「こんなところでタバコ吸うな!」
と言ったら、
「すみません。」
と日本語で詫びの言葉が返って来た。
まさか日本語が通じると思ってなかったこともあって、驚いて振り返ると件(くだん)の女性、ばつが悪そうに首をすくめ、その後にっこりとこの爺にアイコンタクトを送ってこられた。思わず
「日本の方でしたか、失礼しました。」
と、言葉を返したら
「なかなか、喫煙習慣を無くせなくって。」
とぺこりと頭を下げられた。いやはやえらく素直なお嬢さん(?)であった。
ちなみにと言おうか、わいは若い頃この手の悪戯を良くしたものである。体格の良すぎる方にこにこしながら
「よう肥えてまんなぁ!」
と日本語で語りかけるといった具合。意味が分からずきょとんとされたら、にこりと微笑めば、先方もにこりとされる。いやはや楽しかった。
ニューメキシコ鉱工科大学の故マルクス・ブルックさんとも、この手の悪戯をしあったものだ。わてが日本語で何かを語り掛ければ、ブルックさんは訛りのきつい英語で返してきた。鬼籍に入られて、もはや30年かなぁ。

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