2016年のブログからもう一日。
重力波(Gravitational Wave)が、初めて観測されたと、新聞やテレビで報道されている。初観測が事実なら、アインシュタインの予言が世紀を越えて証明されたことになる。気の早い友人などは
「これでタイムマシンができることになるなぁ!?」
何ぞと喜んでいるが、可能になったとしてもそれはまだまだ先の事だろう。
話は変わるが、重力波には思い出がある。
この爺がまだ、大阪大学の4年生だった頃。西暦でいうと1972年の9月の事である。
卒業研究、俗にいう卒論ですなぁ、のテーマとして「相対論的速度で移動する電波源からの放射」にひかれて、研究室を選んだ。そして卒論を直接指導してくださったのが、当時その研究室で博士課程一年生だったTさんで、文献を一緒に読んだのは一度か二度程度で、あまりこまごまとしたことはおっしゃらず、比較的自由にやらせて頂いた。それでも、節目節目には結構厳しい質問があったりして、私なりに適切な卒研指導をしてくださったと理解している。
ある日の事、電場や磁場、あるいは電磁波の速度といった議論をしていた時、私は
「電磁波の速度については判りましたが、それなら万有引力だって伝搬するのですよねぇ?」
と尋ねた。その時議論していたTさんはもちろん、周りにいたSさんやYさんが
「お、河崎ええ質問やなぁ。それが重力波やでぇ。多分光速で伝わるんや。」
と、異口同音で返してこられた。
恥ずかしながら、大学四年生の私には、重力波何ぞという文言は初めて耳にする術語で、大いに啓発されることになった。
そしてその日以来、私はファインマン物理学の力学を読み始め、あれこれと興味の対象を広げていったという次第。44年も昔の思い出である。

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