自身のブログをほりおこしているが、結構面白い。
今日は 2014.4.19のブログである。
山崎豊子著,白い巨塔を読んでいる。
昭和40年代だったか,映画化されて大当たりをした作品である。
何をいまさらと言われそうだが,シンガポールで読もうと,文庫本全5巻を買い求めてやって来た。大阪大学医
学部をモデルにした,浪速大学医学部が小説の舞台で,最近もテレビドラマ化されていた。だから敢えて本筋には言及しないけれど,読み始めて面白い事に気が付いた。
この話の時代は昭和30年代後半で,我が大阪は未だ商都そしての権威もあった時代である。
「政治の中心は東京,経済の中心は大阪」
だった,大阪人にとっては古き良き時代の話である。
読み始めて築いたのは,主役・財前助教授の昇進を阻止しようとする,東教授についてのくだりである。東教授は,東京大学がモデルなのであろう東都大学の出身で,若くして浪速大学の教授としてやって来たという設定である。そこまでは,まぁ取り立てていう程のことは無いけれど,ただ
「東都大学に残って,研究者としてやって行くのも生き様なら,浪速大学に来て財界の大物を治療し,経済的安定を求めるのも生き様」
といった内容の記述があった。
この記述,政治も経済も東京に一局集中の今日にあっては,若い常連様方には判り難いかもしれない。ちなみに政治と経済の中心の分かれていたのが,今日の一局集中になったの原因は,東海道新幹線,航空機の発達による,東京と地方都市との時間距離の短縮が原因というのが私の理解であり持論なのである。
国の在り方として,一局集中もしくは政治中心と経済中心が異なるのどちらが国民にとって幸いかは,色々異論もあろうが,私は後者の方が国力のアップに繋がると信じている。
白い巨塔の話から,話題が随分とかけ離れてしまったけれど,小説はきちんと時代を反映させて書かれているんだと感心した次第である。

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