葉月も晦日が近づいてきた。
母の祥月命日は八月三十一日。私が十二歳の年だったから、もう六十四年も昔のことになる。だからというわけではないが、私は昔から夏の終わりがあまり好きではない。
ただ今年の猛暑・酷暑は、八月も下旬に入ってなお衰える気配がない。となると、私にとっての「少し憂鬱な季節」は、まだしばらく先のことになるのかもしれない。
日本のテレビ放送では、
「夏休みが終わった学校の構内に、クマが出た」
というニュースが流れていた。いやはや、なんとも厄介な時代になったものだ。
野生の動物とのやり取り、あるいは「付き合い方」というものは、昔から本当に難しい。私の生まれ故郷でも、ときおり野生の猿が野菜畑に現れることがある。七、八年ほど前のことだが、裏のなす畑で、畝に腰を下ろしてナスを食べている猿に出くわしたことがある。私が驚いたように、猿もまたナスを両手に抱えて頬ばりながら目を丸くしていた。
その後、駐在さんに連絡すると、町内放送で
「猿が出ました。見つけても目を合わせないように!」
と注意喚起が流れた。
一方10日ほど前には、知床で登山者が熊の犠牲になっている。
人と自然との距離の取り方は、時代を経てもなお、難しい課題であり続けている。
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