昨日は日本では秋分の日で祝日、Autumnal Equinox Day。
そして私は今日、日本に向かう。
さて、「なぜ広帯域干渉計なのか?」の続きである。
大阪大学工学部電気工学科の電力工学教室に赴任した当初、博士課程の学生が一挙に増えるという現象が起こった。もっともその全員が、他大学から進学してきた学生であった。ただ、私が阪大で回路理論演習や高電圧工学を担当し始め、やがてその講義を受けた学生たちが四年生になる頃には、「大気電気学」や「絶縁診断」の研究を志望して、私の研究室を希望する学生が現れるようになった。希望者の数は決して多くはなかったが、学内での認知度が少しずつ高まっていることを感じた。
その最初の世代に、トモオ君やミッちゃんがいた。二人とも実に元気な学年であった。
トモオ君は雷放電の観測研究を強く希望していたが、卒研配属の抽選の結果、絶縁診断をテーマとすることになり、明らかに不満そうであった。そこで私は彼に、
「まずは大学院入試に合格しろ。合格したら改めて考え直そう!」
と激励した。一方、ミッちゃんは幸運にも無競争で、名古屋大学グループによるロケット誘雷実験に参加することが決まり、卒業研究として雷観測に携わることになった。
両名とも大学院入試には合格した。成績は決して上位とは言えなかったが、ともかく突破した。もともと卒業研究の配属は4月に決まるものの、8月末の大学院入試が終わるまでは、本格的な研究が始まらないのが通例である。そうした紆余曲折を経て、最終的にトモオ君の卒業研究は「LF帯アンテナによる雷放電の多地点観測」となった。ただしその実態は、空電研究所の研究データを借用して進める形であり、私がやや強引に方向転換させた面は否めない。実際研究室内の談話会で、他の教官から
「彼の卒研のテーマは、いつ雷放電になったのでしょう?」
といったコメントがでたこともあったが、私は無視をした。
とはいえ、この強引さこそが幸いし、現在トモオ君は大阪大学の教授となっている。
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