2025年10月30日

大学院博士課程 3

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多くの教授は、「背に腹は代えられぬ」との言い訳のもと、安易にポスドク費用の獲得に走っている。結果として、可愛いはずの弟子を日雇いの知的労働者として抱える羽目になる。少なくとも私は、ポスドクという“農奴”的で理不尽な制度を肯定する気にはなれない。
だが現実には、多くのポスドクが「これで大学教授への道が担保された」と安堵しているように見える。皮肉な言い方をすれば、自らの博士号がいかに薄っぺらであるかを、暗に認めているのかもしれない。早い話、指導する教授にも、指導されてきた博士にも、双方に問題があるというのが、私の立場である。
私は自分の指導法が常に正しかったとは思わない。理想論で解決できる問題でないことも承知している。それでも私は、「働き方改革」の時代にあって、セブンイレブン教授を自認してきた。朝一番に研究室に入り、学生の机の上を見て回り、何を考え、何につまずいているのかを“スパイ活動”のように観察してきた。その甲斐あって二十余名の博士を送り出し、誰一人として就職に困ることはなかった。
この稿を終えるにあたって、改めて思う。私が大学教授として目指したのは、「学問を残すこと」、そして「学派を生み出すこと」であった。そういう立場を意識しながら研究室を運営してきたし、博士課程の学生はもちろん、修士や学部の学生とも向き合ってきた。理想と現実の距離は確かに大きかったかもしれない。だが、それでも博士課程を「お荷物扱い」にさせない唯一の道が、そこにあったと信じている。
最後に私の運の良かったのは、四年生で研究室配属されたとき、直接に指導して下さった当時の博士課程学生だった先輩達が
「善さん、博士課程まで進学する気なら、論文を三篇書くことは当然だが、研究分野の良い教科書を、博士課程在学中に少なくとも三冊は読破すること。それも原書で。それが君の厚みを増すし、それだけの時間は十分あるから。」
と背中を押してくれたことでなかったろうかと、この歳76歳になって思い出している。
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posted by zen at 00:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 私の主張
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