私が大学四年生で講座配属された教室の博士課程の先輩に、D3キミオさん、D2エイイチさん、D1カズオさん、コウジさん、トシオさんと5人の博士課程先輩がいた。加えて教員にはナガヨシさんがいらっしゃって、四年生4人(トシハル君、コウジ君、オジンに私)に直接指導して下さる方々が6人と、卒研生にとって贅沢なと言おうか、理想的なと言おうか、いずれにしても恵まれた環境であった。そして私を直接指導してくれたのは、D1のカズオさんで、カズオさんが岐阜大に籍を得て出て行かれるまでの三年間お世話になった。昨日は修士一年生の時の顛末を披露しており、今日はさらに一年さかのぼってのエピソードを披露したい。それは、3月の卒業研究発表兼試問会に関してである。当時は模造紙に発表のための図や式を書いての発表で、今日とは随分と趣が異なる。まぁ50年は経っているので、当然と言えば当然ながら・・。
発表会は、学科の教授、助教授の先生方の前で、卒業研究の内容に関して説明するのであった。私は今では76歳の爺ながら、当時は20歳を少し過ぎた、経験もほとんどない青二才であったろう。当然発表にあたって、失敗の無いようにと原稿を書いていたら、カズオさんが「善さんそれを読む気か?そらあかんで。模造紙に書いたぁる内容しか先生方には見えへんねから、発表する側もそれを見ながら説明するのが当然ちやうか!」と厳しい口調。どれを聞いていたコウジさんも「河崎!カズオ君の言う通りや。いったん原稿書いて読む癖つけると、いつまでたっても書かんと発表でけへんようになる。やめぇ!やめぇ!原稿書きは!」とまくしたてた。私も性格上、「それなら。」と言われるままに、模造紙に書いた内容を見て理解しながら、卒業研究の内容を発表した。
実はそれから10年ほど後、マンチェスターのUMISTを訪ねて、これまたノルウェーでの観測についての話をするとき、UMISTのイリングワースさんからも同じような助言を受けた。当時はオーバーヘッドプロジェクターでの発表であったが、スクリーンを見ながら、内容を自分で理解しつつ、イギリス人相手に講演した。カズオさんやコウジさんの助言を思い出しながら・・・。
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