いきなりですが、「あなたの専門は何ですか?」と尋ねられたら
「大気電気学、もう少し広い範囲でいうなら、気象学の一分野です。自然科学者です。」
と返すことが多い。私が、元大学の教官と知ると、ほとんどの方が専門は何かと尋ねられる。
そして私の答に、怪訝そうな顔をする方々には
「雷放電の物理です。」
と付け加えて、ようやくなるほどと納得して頂くことが多い。
実際大気電気学は、ある意味マイナーな学問分野であるから仕方がない。
ただ、私は工学部・通信工学科の卒業で、博士課程では電磁界理論の分野で研鑽を重ね、そして工学博士の学位を頂いてある。足掛け15年間担当させて頂いた講座も、工学部電気系で、野外での電波計測を通じて雷放電の性状を研究、都合20名の工学博士を輩出している。
ただ本音でいうと、大学進学にあたっては理学部にと考えた一方、親類縁者の多く、とりわけ祖母の弟の私がおじいさんと呼んでいた人は、医学部に行って医者になれと勧めてくれたけれど、諸事情があって工学部通信工学科への進学になったのである。
ところが、工学博士の学位を頂いて、いざ就職となると大学教員のポストはなかなか無く、それは進学時に指導教授からも言われていた事ながら、一年間の今でいう無給のポスドクとなった。ところが秋口になって、名古屋大学の空電研究所の助手ポストの公募があり、調べてみるとその研究所は地球・宇宙物理学を対象とする研究所であることが分り、迷うことなく応募した。応募にあたり少しだけ気になったのは、応募の要件としては「人工電磁雑音の観測的研究」という点で、「電磁波で学位をとったのだから、何とかなるだろう!」と例によっての楽天主義で応募した。そして運の良いことにめでたく採用されることになり、1779年の4月名古屋大学空電研究所に着任したのである。
(この稿続く)
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