中華正月(太陰暦正月)を迎えて、もはや一週間経った。中華系シンガポール人によれば、この新年を迎えてから二週間近くの間は、気分の高揚が続くのだという。実際7日経った今日でも、街のあちこちにライオンダンスのドラムの音が聞こえる。新年を祝う標語や赤い提灯は街のここかしこに飾られている。ところでこのライオンダンス、シンガポールに住むようになった13年前、すぐに日本の獅子舞と結びついて考えなかったから、うとい話である。ライオン(獅子)ダンス(舞)、直訳すれば直ぐにでも判ったろうにと、顔の赤くなる思いである。ただ言い訳をするようながら、くだんのライオンダンスは、ドラム数人、獅子を舞う人これまた数人で、トラックに乗ってドラムを叩きながら大勢で押し寄せ、マンションの広場に観衆が集まって、彼ら風の「獅子舞」を披露するので、すぐには日本の獅子舞とは結びつかなかったのである。と言っても日本の獅子舞、今日ではテレビで見る程度で、街中で見ることはめったになくなっている。日本国内の場合、趣味の多様化とも関連して、多くの古き良き伝統は、消えゆく運命にあるのかも知れない。かかる意味で中華系シンガポール人の、「我々の方が伝統を守っている。」という主張には、頷かざるを得ない。
中華系シンガポール人のこういった「矜持」は、明るい共産主義国家と言われるシンガポールながら、「共産主義に反発している。」といった側面もあるのだろう。ただそういいながら、盛んに中国本土との貿易に力を入れている様で、この天邪鬼爺の理解を越えた一面もある。
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