石橋キャンパスに,電気物理の再試験の実施に出かけた。
隣の教室,何やら学生の出入りが激しいので,赤いシャツを着た学生に声をかけた。
「これ何やってるの?」
その学生は,えらく胸を張って
「オープンキャンパスで,高校生への受験指導です!」
と応えた。例によって私の天の邪鬼が眼を覚まし
「受験指導って,ちょっとおこがましいんじゃない?」
と返したら,今度は真顔になって
「おこがましいって,どういう意味ですか?」
と尋ね返してきた。小生がそれに応えようとした途端,高校生らしき何人かが割り込んできて,私は再試験の教室に戻った。再試験は,博士課程学生,修士課程学生に同行を頼んでの実施で,私が席をはずしている間も,滞ることなく進んでいた。私はともかく教室を一周して,出入り口付近の椅子に座って,教室を見渡していた。
すると二人の学生が
「今係りの者に仰ったのはどういう意味ですか?」
と言いながら入ってきた。私は
「今再試験実施中だから・・」
と二人を押し留め,ともかく教室の外にでた。二人の学生は私が
「受験指導っておこがましいんじゃない?」
といった事に対して,抗議の意味もあってだろう,どういう意味か説明して欲しいという。
「いや他意はないよ。阪大生になったぐらいで受験指導っておこがましい。おこがましいという言葉で判らないなら,お節介じゃないかと言いたかっただけで,60歳の教員の印象をいっただけなんだけど・・。」
「僕達は,善意でやっているんです。高校生に阪大に入学したいという気持ちを持って貰いたいと考えるから・・。」
「その気持ちには反対はしないけど,私はおこがましいという印象を持つね。だからと言って君達に止めろという気もないし,権利もない。高校生達に考えて貰うのが一番に良いというのが,私の考えです。」
「僕達の活動を,お節介と思って欲しくないんですが!」
「君がそういったって,私はそう考えるね。それに君の考えて欲しくないとい態度,どうして一か零かしかないのかなぁ。全然主義主張の違うものと議論できない様な阪大生こそ,私は教官として,さみしい気がする。私がお節介かなぁと考えるのは,何となくモンスターペアレントを連想するからなんだけど。ただ私が声をかけた学生さんがショックを受けていたなら,それは私の言葉足らずだから,謝っておいてください。」
そこまで話したら,その会の責任者と名乗った学生さんが
「おっしゃることはよく理解できました。」
と退散してくれた。
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