2010年03月29日

山形紀行 3

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老紳士のNさんという呼びかけに,20〜30m先の何人かが反応し,その内の一人が小さな凧をかざしながら近づいてきた。凧には鹿の絵が書いてある。
「あれまあ大阪の人ですか。私達は,というより私の父は凧というと人が変わる程,凧には熱心なんです。あの群れのどこかに居る筈なんですけどねぇ・・。」
と,老紳士に呼ばれたNさん本人ではないらしい。ただ手にしていらっしゃった鹿の描かれた凧を差し出しながら
「この凧あげてみますか?父に言えばきっと差し上げようというと思います。」
と,笑っている。先の老紳士,きつい東北訛りで,
「Nさんも,あなた方があげてみれば喜ぶから,やってみなさい!」
と,話がずんずん別の方向に進む。
「子供の時以来やった事が無いからねぇ・・」
と尻込みする私に老紳士は糸巻きを渡し,凧を持って数メートル先まで小走りにいき,凧を頭の上に掲げて,あげてみろとしきりに勧める。ただ掲げた凧に眼をやり,
「あれこの糸の結び方ではだめだ!一ヶ所だけ結ばねば。」
と,三ヶ所に結ばれていると凧糸を外し始める。手持無沙汰の私は鹿の絵が気になり,Nさんの息子らしき人に
「鹿の絵が書いてあるという事は,奈良の方ですか?」
と問いかければ,
「ええ,義父は生駒に住んで居ます。私の妻がNの娘です。Nは80歳を越していますが,凧の話となると本当に人が変わった様にのめり込むのです。今回も義父夫婦と私達夫婦の4人で,あの車で12時間かけてやってきました。」
と指さす。私は,鹿の絵の謎が判り,いやはや山形県にふらりとやって来て,隣県の人にばったり会うとは,世間が狭いといううか・・。」
と手を叩いて喜んでしまった。ただ問題のNさんは以前現れず,Nさんはどこと尋ねる私に,先程の老紳士漸く凧に糸を結び直し
「80歳を越しているというのに,近畿から12時間もかけて車でやって来るNさんは,化けの子なんだよ。」
と大賛辞級のほめことば。そして
「ほらあこの赤い服,あれが化けの子Nさんだよ!」
と言いながら,私に凧あげを勧めるのである。
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posted by zen at 18:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内旅行
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