2010年06月09日

通天閣 再復刻版 128

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さて,部屋に買って帰った三本の黒っぽい飲み物である。
ジュースやサイダーは,栓を開けたらすぐ手が出るのに,みんな見ているだけである。そうなると,当然ながら出番は私しかない。
「何や三本も買うたのに,だぁれも飲めへんのか?」
そういいながら,私は腹をくくって口にしてみた。いや味わおう何ぞとせず,一気にごくりと飲み込もうとした。そして飲み込んだつもりであったが,それはすんなりとは,のどを通り過ぎては行かなかった。甘いのだが薬臭い様な,そのくせ炭酸が一杯入っていて,口の中が泡だらけになりそうな感じであった。そして結局私は洗面台までかけて行き,吐き出さざるを得なかった。
「これ美味無いは。めっちゃまずいは!なんちゅう飲みもんやろ?」
と,尋ねてみたが当然ながら誰も知る筈がない。
だからその次には少しだけ口にして,それで飲み込んだ。
薬臭いながら,今度は一回目の経験もあってどうにか喉を通り越して行った。
実はこれが,私達の貝塚第三中学校3年生とコーラの最初の出会いだったのである。
ついでながら,飲み終わった後空き瓶を部屋に置いておくと先生にばれるというので,自動販売機の脇にまで返しに行った。小説やドラマなら,その時先生に見つかって大目玉という事になるのだろうが,私達の場合は細工は流々といった具合で
「先公なんてちょろいもんや!」
と,皆で手を叩いて大喜びをした。ところが次の朝担任のC先生が
「夕べ,飲みもん買うた者正直に手ぇ上げぇ!」
と私達を𠮟った。C先生は
「お前等が黙とるけど,空き瓶の数が増えてるんや!三中以外にこの宿に泊まってへんやから,誰か必ずおる筈や!」
と続け,結局ばれてしまって,
「また善一郎の仲間か!」
あまり真剣には怒られはしなかった。
ところがこの後,私にとって異性一台の不覚が発覚するのである。
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posted by zen at 06:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 雷人独白
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