エジプトでE-JUSTのために頑張っていることは,これまでにも何度も報告している。それがいよいよ,第一期生の修士課程修了という時期になって,とんでもない問題が持ち上がってきた。我々日本人には,いや日本的システムに慣れ親しんでいる我々には,理解し難いかも知れぬ問題なので,ここに紹介したい。
私達のE-JSUTは,現在大学院修士課程と博士課程とがあり,修了者には修士(工学),博士(工学)の学位を授与することになっている。それゆえ原則学生諸君は,工科系の大学を終えて学士(工学)の学位を持っている。ところが第一期生の募集にあたり,工学系(Engineering)を終えた学生に加え,例外的に理学系(Science)を終えた学生も若干名入学を認めた。我々日本人にはという断りをつけたのは,我々ならEngineeringであれScience であれ,入学を認め規定年限の研鑽の後に成果が認められたら,一律に修士(工学)が授与される筈なのに,この地エジプトでは,そうはいかないという点である。そしてそれには大学の教育形態が深く関わっている事が,ようやく明らかになったというのが実際のところなのである。
「それも知らずに,まぁ・・・。」
と,お叱りを受けそうな基本的事実というのは以下の通りである。
工学系(Engineering )学部の修業年限が5年であるのに対し,理学系(Science)学部の修業年限が4年と定められている。この一年の差異は,修得すべき単位に概ね36単位の差(一セメスター6科目×3単位)となって現れるだけでは無く,工学系はより応用的な科目が含まれている点において,異なっているそうである。さらにこの一年間の差異は,Engineerを社会がより必要とするという要請にも寄っているそうで,工学系学部に進学するには,ある意味熾烈な受験勉強を勝ち抜かねばならないらしい。即ち日本の高校にあたるSecondary Schoolを終えるにあたり,Thanawia Ammaと呼ばれる統一テストがあり,その成績の序列によって,入学可能な大学の学部が決まるというのである。大学の人気は,医学系学部や工学系学部が高いそうで,理学系学部は低人気それゆえSecondary Schoolであまり成績の良くない生徒達の受け皿となっているというのである。それゆえ理学系(Science)学部からの進学者には,そのままでは修士(工学)が授与出来ないというのである。確かにE-JUSTとしては修了証は出せるのだが,高等教育省内のSupreme Council for universityという認定機関のお墨付きが貰えず,ただの紙切れに過ぎないというのが実際のところなのであろう。こんな事態ゆえ,大いに困っているというのが実情なのである。
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