2013年05月10日

十津川温泉

上野地にある谷瀬の吊り橋,ワイヤー製とはいえ足元には数十メートルはあろう河原が見えて,高所恐怖症の方には歩くのは辛いそうである。10年ほど前に訪れた際には,私自身はあまり苦にもせず渡ることができたとの記憶がある。ただ当時同行した何人かの半数は,結局歩いて渡ることを断念した筈。ただ今回は橋の入り口から,対岸を眺めるだけで諦めねばならなかった。対岸では,マイクロバスを待っている観光客であろう大勢の人達の列ができていて,
「なるほど,これなら一方通行にせねばならないだろうなぁ!」
と,合点させられた。
20分間のトイレ休憩はあっという間に終わり,バスは次のトイレ休憩地十津川温泉を目指して再び走り出した。渓谷は相変わらず,洪水,崩落の爪痕を残していて,車窓の風景を楽しむというよりは,災害の惨状を確認させられる思いであった。同じ年の東北の大地震や津波災害と比較はできないけれど,十津川渓谷でも復興の遅れが痛々しいことに変わりないというのが率直な印象であった。惨状を目にしながら,
「そういえば,以前訪ねた時,明治年間の十津川の水害の展示を見たぞ。」
と思いだした。確か一村丸ごと流されたといった被害もあった筈で,明治年間の大水害は一度ではなく,二度はあったと記憶の片隅に残っていた。そして村を無くした人々は北海道に移り住んで,その地に十津川村を作ったといった展示もあったと,記憶の連鎖が繋がっていった。
悲しいことにというべきだろうか,その展示を見たのがどこだったかという記憶はまるでなく,その疑問の解けるのは,バスが十津川温泉についてであった。村役場に,明治の大水害の資料館の看板が出ていて,それを見てようよう思い出したというのが正直なところ。本音ではもう一度あの展示を見たいものだといったところではあったけれど,トイレ休憩15分余ではとても見学は無理と諦めた。
明治年間と今日平成の時代では,技術レベルにかなりの開きがあるというのに,同じように水害に煩わされるとは,改めて自然の力の圧倒さに感心する事しきりというのが,私の本音・実感である。
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posted by zen at 07:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 国内旅行
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