愛弟子の一人ヨッサンが、「雷放電の物理」という教科書を上梓した。
わざわざシンガポールまで送って来てくれたこともあって、急ぎ読ませて頂いた。
版元の朝倉書店からは、最初この爺に執筆の依頼を頂いたのだが、年齢のせいか、はたまた熱帯のシンガポールに移り住んでいるせいか、どうにも書く意欲がわかなかった。依頼を頂いた際は二つ返事で引き受けたというのに、である。
その後一日伸ばししていたが、
「わてには無理やなぁ。若い弟子たちに頼もう。」
との結論に至り、愛弟子の一人タケシクンに声を掛けたら、
「それならヨッサンと、三人で分担執筆にしましょう!」
との代案が提案され、それに落ち着きそうになっていたが、昨年の今頃急転直下、ヨッサンの単著となってしまった。まぁそういった経緯はともかく、ヨッサンの名著は果たしてどれくらい読者を集めるか大いに気になるところである。
さて文頭にも書かせて頂いたように、うれしさもあって「雷放電の物理」を急ぎ読ませて頂き、その後ヨッサンとあれこれ読後の感想の意見交換をするうち
「ロケット誘雷含め、誘雷に関しての記述が言葉足らずやなぁ、内容も含め・・・。」
に至り、
「次は誘雷について書いたら・・・。」
と言葉を続けたら
「誘雷では売れないですよ。だから出版社もうんとは言ってくれないでしょう。」
とえらく否定的な見解を告げられた。
そうなると天邪鬼の虫が頭をもたげ、
「そう言うなら、まずあれこれ内外の資料を集めるから・・。」
とついつい、口走ってしまった。

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