「ブラジルで竜巻!」の報を聞いて、その話題をもう一日続ける気になったのには理由がある。私が天職としている雷放電は勿論ながら竜巻も「積乱雲」がその原因で、もう20年程も昔に
「『降雹、豪雨、落雷、突風、竜巻』の五現象のいくつかをあるいは全てを伴う。」
と、電気学会誌の解説論文を執筆したことがある。これは気象関係者にはほぼ常識かも知れないが、私のもう一つの活動の場である、電気・通信・電子工学の関連者にとって、落雷被害以外は直接かかわりのない事ゆえ、是非とも認識してもらいたいと考えたからである。かみ砕いて言うなら、「積乱雲」は大気の不安定がきっかけとなって上昇気流が発生、その速度がある程度以上になると大気の断熱膨張となり大気温が下がる。その結果大気に含まれる水分が氷結、成長して雹・あられ二へと成長、そしてその雹・あられが電荷分離に貢献、雷雲となる。やがて雹・あられが落下を開始し、落下中に溶けることになり周囲の大気の温度を下げることになる。気温の下がった大気は下降流となる。一方「積乱雲」成長の過程でねじれがあると、その甚だしい場合には竜巻となるといった具合なのである。ただ残念ながら、警鐘を鳴らしたつもりでいたのだけれど、あまり認知度が上がっていないのが正直な現状である。あの当時「雷嵐(らいらん)」という造語まで作ったけれど、気象の専門家の方々には不評で、彼らは「極端気象」という造語でいまでは席巻している。
ひがんだ話はさておき、今日社会現象化している「線状降水帯」も、雷放電(大気電気学)の専門家としては、水分量の観測的理解は勿論肝要と認めたうえで、雷放電活動もパラメータの一つに加えてもらいたいというのが本音なのだが、残念ながら道程はまだまだはるか先といったのが私の理解である。
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