2019年10月13日

雷鳴と降水

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歩いて15分程度のモールまで、昼過ぎ買い物に出かけた。
プリンターのインクと用紙を買い求め、モールの外に出ると、空模様が何やら不気味である。来たときはカンカン照りで、雨なんてとても考えられなかったというのに。
「自宅に着くまでは、雨も降るまい!」
と、気楽に考えて歩き始めた途端、遠くから雷鳴が聞こえた。何せ買い物の一つは印刷用紙、雨に遭うとたまったものじゃぁない。
いきおい早足となる。
ところが5分ほど歩いたところで、ぽつりと来た。
速足で歩いたおかげで、ほぼ中間地点まで来ているが、このあたりの夕立は、ぽつりぽつりの後一気に来ることが多い。店で渡されたプラスチックバッグの口をしっかりと締め、ひたすら歩く。運のよいことにといおうか、ぽつりぽつりが続いている。そしてマンションのいる口まで10m余りとなったとき、ざざっと来た。丁度その時
「河崎さん、傘は持っていないの?」
と入り口のセキュリティガードが、後ろから傘を差しだしてくれた。大仰なようながら、地獄に仏とはこのことか。運のよいことに買い求めた印刷用紙は雨に遭うこともなく、無事に自宅に到着。それにしても雷鳴から10分弱で降水盛んとは、常日頃の主張と矛盾なく、めでたしめでたしといったところであろうか。
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2019年08月27日

双方向性リーダ7

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JICAがエジプトの大学院大学のために製作を認めてくれた優れものは、ロトフィー君という博士課程二年生の学生とほとんど一緒に日本にやってきた。ロトフィー君は二年間日本に滞在して、雷観測に参加しデータ解析して学術論文誌に投稿し、最後に博士論文としてまとめるのである。北陸の冬季雷に使おうということになったのは、アレキサンドリアのあたりもミゾレ交じりの冬の日に、雷活動が少し活発になることを知って、
「北陸の方が、機会もずっと多いから、きっと論文書けるで!」
と、ロトフィー君の背中を押したからであったろうか。ただ今から考えると、エジプト人のロトフィー君には、冬の北陸河北潟の野外観測は、少し過酷だったかなぁと考えたりしている。それでも、ロトフィー君は高専で教鞭をとっている、NY君と一緒に二冬を河北潟で過ごし、優れもののディジタル記録計で冬季雷の観測を成功した。
一方ニューメキシコに滞在したA君は、人工雑音の少ないという観測環境の良さを生かした観測結果をマイケル君という協力者を得て、大量に取得しこれまた大いに成果が上がっていた。A君の解析法が、ロトフィー君の研究を進めるに大いに役立ったことは言うまでもない。
つまり人間の眼を頼りにしなくとも、負リーダーの進展はもちろん、正リーダーの進展の様子も,可視化できたので私としては、定年ぎりぎりに当初目指した目標に到達できたと、大いに喜んだ次第である。
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2019年08月24日

双方向性リーダ6

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話が本題からずれることになるけれど、JICAは外務省の外郭団体で、開発途上国を援助する機関である。当然財布もおおらか、4チャネル200MHzサンプリングで15分近くも連続記録する装置をいとも簡単に認めてくれた。ちなみにこのとんでもない機械で、エジプト人のロトフィー君が博士の学位を取得することになったのだが、申請時には祖kまで考えてはいなかった。
期を同じくして、博士の学位を取得したA君が、ポスドクでニューメキシコで二年間過ごしたのだが、二年目には同じく連続記録するという考え方で、4チャネル200MHzサンプリング、1秒毎にハードディスクに記録するという装置を、ニューメキシコ鉱工科大学のマイケルと作り上げてくれた。おまけにシームレスとくるのだが、その部分はマーク・スタンレーが貢献、NDAを結んで使わせてもらうことになるのである。というのはシームレスに一秒毎に記録できるということは、実時間の解析も原理的に可能ということになるからである。実時間処理はさておき、連続記録して記録されている電磁パルスを全て処理できれば、原理的に正リーダも負リーダも可視化できることになる。実際記録されている波形を見てみると、比較的大きい振幅のパルスに付随するような形で、おおよそ10分の1の振幅のパルスがかすかに見え、
「こんなだから、振幅の大きなパルスでトリガしてたので、小さな振幅のパルスが記録できてなかったんだなぁ。」
と妙な納得をすることができた。
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2019年08月22日

双方向性リーダ4

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最初に観測に用いた広帯域干渉計は、パルス毎にトリガをかけて記録していく方式だった。AD変換器のメーカーに特別注文で設計してもらった優れものの装置であった。トリガをかけパルス波形を記録してすぐに次の観測待機に入る方式で、俗にいうデッドタイムは100万分の1秒以下に抑えて貰った。実はこの装置科学研究費を当て込んで設計したのだが、正直なところ一年目は出来上がってくるのが考えていたより遅くて、秋の観測には間に合わなかったという、ちょっぴり苦い思い出がある。それでも二年目には完成して、豪州ダーウィンの11月12月の観測では活躍してくれた。
それでも正リーダは、可視化できなかった。理屈上は負リーダによるパルスも正リーダによるパルスも記録できている筈なのに、画像化されるのは負リーダだけであったのである。まぁそれでもというべきだろうか、究極の目的は達成できなくとも、広帯域干渉計の成果は我田引水ながら、同業者に誇れるものだったと信じている。
やがてトリガー方式がいけないのじゃないか、トリガーなど考えずに連続記録したらうまくいくのじゃないかと考えるようになっていた。確固たる確信があったわけではないが、ともかく連続記録をと考えたのだが、ディジタル信号に変換して時間の切れ目なしに連続記録なんぞというと、ある意味とんでもない発想ながら、やってみたのである。
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2019年08月21日

双方向性リーダ3

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いずれにいしても、状況証拠では科学にはならない。
なんとしても正のブレークダウンを可視化したい。ただ単極性のリーダ進展の観測から、放射されるVHF波の電波強度が、負の方が正より20dB強いことが明らかになった。早い話、負の方が正より10倍も強いのである。都合の悪いことに、これらがほとんど同時に放射されているので、負からの放射波が正からの放射波を完全にマスクしており
「これやったら見える筈ないやんか!」
と気付かされたのである。
「同時言うても、少しは差もあるやろうから、思い切って広帯域受信したらどうやろう!」
と考えた。広帯域受信なら、多分マイクロ秒程度の差程度なら見えるんちゃうか?」
と考えた。さらに1990年代も半ばとなってデジタル干渉計の実施がパソコンなどでも簡単にできる時代となっていたので、現実的だと考えた次第。それに広帯域受信だと、煩雑な受信機の設計は必要ない。設計が必要ないということは、メンテナンスも必要なしということで、装置としては随分と簡単になるのである。
ただ依然として、信号でトリガをかけて観測を実施するという、ディジタル信号処理の基本から抜け出せずにいたのが、とんだ考え違いだったと言ことになるのだが、それはまた明日にでも。
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2019年08月20日

双方向性リーダ2

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もう数日専門すぎる話を続けたい。
正リーダと負リーダに関してのわだいである。
まず光学的に観測したと申し上げた。それに双極性リーダ進展に関しても申し上げた。これは専門外の方にはいささかご理解頂き難い内容乍ら、
「空間の一点から放電が開始するとき、開始点の電荷を保存するという物理法則を認めるなら、正リーダと負リーダが同時に互いに逆方向に放電進展をかいしする。」
という仮説で、観測的に検証されない限り、仮説なのである。
ちなみに光学的に正負リーダを観測できていたのは、ロケット誘雷実験や福井県三国の地上高200mの煙突などから上向きに開始する放電を利用しての観測で、これらの場合金属(導体)から放電が開始するので、単極性のリーダ進展となるからである。ちなみに光学観測は、最初アナログ記録して、波形を再生しながらという古色蒼然なやり方であった。1980年代のことで、その頃からディジタル技術もかなり普及してきて、1980年代後半はディジタル記録に移行していった。
電波計測である。
まず取り組んだのは、VHF波帯の広帯域干渉計。これはフランスやニューメキシコグループの装置のデッドコピーに近かった。早い話丸写しだったのである。これはたん観測結果と併せての比較で、状況証拠乍ら
「この辺りに正のリーダ、正確には正のブレークダウンがある筈だ!」
という辺りまで研究を進めることができたものの、狭帯域の干渉計では正のブレークダウンを可視化することはできなかった。
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2019年08月19日

双方向性リーダ

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数日前の話題、雷放電の正負、正確には正リーダと負リーダの進展に関してである。
そしてれらはすでに1980年代に光学的に測定されていて、それぞれ10の5乗m/秒及び10の6乗m/秒と知られていた。さらにこれらの値は、室内実験による超ギャップ放電で確かめられている値と矛盾はしないのである。だから、何をいまさらという向きもあろうが、現実には大きな問題を含んでいて、光学観測では解決しえなかったのである。
室内実験と異なり、自然の雷放電は金属導体などないわけだから、どこで雷放電が開始するにせよ、その点の電荷が保存されねばならない。そのため自然の雷放電は、双極性リーダで開始する必然性があるのである。つまり、正のリーダと負のリーダが放電の開始点から、互いに逆方向に進展するということが起こっている筈であり、となると光学的観測では本当の意味で観測できないのである。すなわち放電の極性を考えるなら、電波観測以外にはあり得ないのである。
いやはや専門過ぎて、ご常連様にはご理解いただき難いかもしれない。(この稿続く)
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2019年08月17日

正のリーダと負のリーダ

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久しぶりに雷放電の話題である。
電荷には正と負のあることはよく知られている。
いや正確に言うと、正の電荷存在しないので、負電荷が何らかの理由で持ち去られ、電気的に正となっていることを、慣例上正の電荷と呼んでいる。雷放電物理の場合、微視的な観点ではなく、巨視的な立場に立って議論するのが普通で、以後便宜上正の電荷、負の電荷という記述で話を進める。
雷雲は、これまた大雑把に言って、正と負に分極した状態にあり、−10度の高度付近に負電荷領域が、それより高度の高い気温の低い位置に正電荷領域のあることが知られている。そして負電荷も正電荷も落雷を引き起こすことも、今日ではよく知られている。確かに高度の低い負電荷の落雷の方が圧倒的に多く、季節や地域に依存するけれど5倍から10倍負電荷の落雷の方が多いのである。
実はこの爺は雷放電に関わるようになった初期のころから、落雷に至る負のリーダや正のリーダの違いを明らかにするための、観測的研究に携わってきた。光学的な測定が最初、その後電波計測へと手段は変わってきたけれど、正の放電と負の放電の違いを解明したいいまだに取り組んでいるのだから、進歩がないと自嘲義気である。まぁ定性的にはあれこれ知見も増やしているので、そう卑下するほどのこともないという慰めの言葉も、腹の中に在ることは在る。
実は1988年夏、私は解放前の中国で三か月弱過ごした。その時の講演の内容が光学的に測った、正負リーダーの相違であったと記憶している。その折中国科学院蘭州高原大気研究所のW先生が、
「巨視的立場からだと差がない筈。理論的にどう解釈できるのだ?」
と、熱心に議論してくれた。
そんなことをふっと思い出していたのは、先日シンガポールにやってきた弟子のY君が、最近の論文を送ってくれて、早速読ませてもらったからかもしれない。
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2019年07月14日

避雷の相談

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金曜日、本当に久し振りに旧友のY君からSNSが入った。
「知り合いのSさんの太陽光に落雷した。避雷を考えている。というのも修理は保険で賄えるけれど、修理完了まで売電ができなくなり、その間のマイナスが・・・。」
という内容。
そしてほどなくSさんから、落雷による被害状況の写真や、太陽光パネルの設置図面などがメールされてきた。図面によれば発電容量はおおよそ4500kW で、敷地は少なく見積もっても200m×200mはある。
「こりゃぁ、思っていたより広いなぁ!」
というのが実感。4500kW の発電容量といえば、日照時間8時間として36000kW時の電力量が期待でき、電力の売り上げ量も結構なものであろう。だから修理までに一月かかるとすれば、
「こりゃぁ避雷対策したくなるわなぁ!」
と考えた。
完全な避雷をというなら、50m毎の避雷針建設ということになるのだろうが、それはいかにも現実離れした答えで、現実的な数の避雷針設置がよかろうと判断とりあえずの目安をメールしておいた。
ただ偶然とでもいおうか、当地の同僚がたまたまこの週末日本に帰っており、
「一度相談にのってやって!」
と急ぎの連絡をしておいた。
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2019年06月27日

雷放電とガンマ線

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インターネット版朝日新聞を読んでいたら
「雷の卵発見、ガンマー線放射を観測」
という見出しを見つけた。
「何を今頃いうてんね。こんなん2000年初頭の研究題材やんか!」
と、いささか不愉快になった。
それにしてもマスコミ報道もレベルが低くなったものだ。四半世紀も昔に話題となった研究を、まるで目新しい研究でのあるかのごとくに記事にし、読者の関心を煽るとは。いやそれとも記者さん日頃の不勉強で、本当に新発見と信じているのだろうか?それだとしたらますます深刻な話である。
そもそもながらこの研究は、恥ずかしながら「雷放電の開始」に関してのきちんとした理解のないことに起因している。古典的には、雷雲内の電界強度の強い箇所、例えばどがった霰の先端であるとか、の理解があり、
「いやそれでは、室内実験で確かめられている絶縁破壊強度にはとても足りない!」
との反論もあって、1990年代の中ごろから二次宇宙線説や、地中からの放射線等々のいわゆる「高エネルギー」起源説が唱えられ、観測的に検証をとの機運が盛り上がった。その結果が先に述べたガンマー線放射の観測で、あの頃の活況はすごかったのである。
ただ我々の知りたいのは、放電開始の機構で、「高エネルギ」起源なのか、高電界起源なのか、あるいは「ハイブリッド」起源なのかで、放電に伴ってガンマー線やX線の出ることは、私が雷研究に携わるよりはるか昔から知られていたのである。言い換えれば、いまだに雷放電の開始機構がきちんとして理解されておらず、まぁそれはそれで我々専門家の力不足なのだが、いつの間にやら何を確かめたかったのかが吹っ飛んでしまったための、新聞報道騒ぎというのが私の理解である。
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