VHF広帯域干渉計は、最低三器の無指向性広帯域アンテナで雷放電の進展に伴う放射波を受信し、デジタル干渉法によって放射源の方位と仰角を推定する装置である。現在の時間分解能は百万分の一秒に達し、雷放電の諸現象を詳細に議論・説明・解釈することが可能となっている。それゆえ開発に関わった責任者として、この成果を誇りに思っている。
さらに、かつての愛弟子であるインドネシアのレディーさんが東南アジア各国に利用を広めてくれたこともあって、76歳になったこの私が、いま再び「一箇所三次元観測法」という難題に挑む気持ちを奮い立たせるきっかけとなった。
そもそも「一箇所三次元」とは、我々の干渉計が雷放電研究には優れている一方で、専門外の方には解釈が難しく、一般の方にとっては意味がわかりにくく、実用性に欠けるという弱点を克服する試みであった。四半世紀前に一度取り組んだものの、当時は解決には至らなかったのが正直なところだ。
しかし、この四半世紀で関連技術は飛躍的に進歩し、観測結果をほぼ実時間で表示できるところまで来ている。だからこそ今こそ再挑戦し、一般の方にも理解できるかたちで準実時間の情報提供ができる装置へと仕上げたい。これが、76歳の老人のささやかな狙いである。早い話、一般の方々には「どこに雷が落ちた!」、「これは雷鳴だけ」といった情報が必要なのだから・・・。
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