我々の長く開発してきた装置の名を正確にいうなら
「VHF波帯広帯域ディジタル干渉計」(Broad band VHFDITF)
と呼ぶべきで、似たような装置を稼働している「同業の研究者」の何割かは誤解をして、似て非なる装置を、広帯域干渉計と呼んでいらっしゃるのではないかと危惧している。(危惧などおせっかいかもしれないが・・・)
つまりVHFDITFは雷放電に伴って放射される電磁パルスをディジタル記録するので、確かに複数のアンテナで受信される信号には、見かけ上の時間差は存在するものの、解析にあたって時間差を陽に考慮に入れる必要が無く、あくまでも波形間FFT 成分毎の位相差が推定できれば良いという点を強調しておきたい。
私達がこの装置VHFDITFを開発したのには、いや開発しなければならなかったのには、もう一つ理由がある。それは「双方向性リーダー」という仮説を観測を通じて証明するという願いである。雷放電は、電気工学など起こる電極間の放電と異なり、雷雲内の言い換えれば大気中のどこかに端を発する。そのどこかは、例えば電荷を担っている霰であったとしても、その霰は電気的に繋がっているわけではないので、リーダーと呼ばれる放電の進展にあたっては、その「どこか」の電荷保存が担保されなくてはならない。早い話負のリーダー(負のブレークダウン)が進めば、進んだ分の負の電荷に同量の正の電荷も反対方向に正のリーダ(正のブレークダウン)として進展せねばならない。ただ負のブレークダウンに比べて正のブレークダウンに伴って放射される電磁波の強度は100分の一程度で、同時に起こっているなら、正のブレークダウンはいうなればマスクされて受信し難く、このあたりが鍵を握ることになる。

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